

研究テーマ(2012年度)
- JUMP TO
現在,人の実質的な活動世界(Virtual World)は 映像を軸にしたメディア技術により拡大を続けています.次世代の情報環境は,映像メディアを中心に発展して行くと 思われます.
当研究室では,この次世代の情報環境の構築に 必要不可欠な画像情報処理に関する研究を行っています. 映像情報を如何に解析するか,如何に利用するかに興味があり,その分野は,画像の取得から符号化,処理,出力,応用システムまで 関連する多くの要素技術に渡っています. 従って,研究内容は,新しい原理に基づく映像生成,シーンの3次元モデリング,3次元ビデオの圧縮・アーカイブ化,画像処理のための機能化イメージセンサ,ウエアラブルやユービキタスシステムと幅広いものになっています. プロセッサの性能,記録容量など"量"が飛躍的な 進展を遂げている中で,全く新しい映像メディア技術として何が可能なのかを模索しています.
ライフログ
センシングデバイスと情報処理機器の小型化が進み,個人の生活体験を長期間記録することが可能になった.携帯電話やiPhoneなどの普及により,写真・映像,コメント,GPSによる位置情報などで自分の行動を記録・公開するユーザも増え,ライフロギングは始まっている.先々には,膨大なデータの処理,複合的なログの集約と連携,直感的なユーザインタフェースへの可視化とインタラクティブな検索等が技術的な課題になる.
汎用的なライフログから,特定応用に向けたライフログを集約的に処理,利用する形態を追求しており,食事ログの研究開発とその社会展開に取り組んでいる.
- 食事ログの研究
- 画像からのカロリー推定
- 食事ログ画像のクラスタリング
- 食事画像からのメニュー推定
3次元映像処理
奥行きや幾何形状,運動といったシーンの3次元情報は,医療,交通,文化財記録,娯楽等の様々な分野において非常に有用である.本研究室ではコンピュータビジョンの知見や画像処理に基づいた3次元情報の取得や応用に関する基盤技術を研究してきた.現在ではカメラ画像のみを利用した3次元オブジェクト生成技術や運動推定技術,デプスカメラによって取得できる距離画像や近赤外画像を利用した高精度な前景領域抽出技術や高速な3次元モデル復元技術等の研究開発に携わっている.
- TOFカメラを利用した高精度アルファマッティング
- スパース回帰に基づいた照度差ステレオ法
- 多視点距離画像からの3次元メッシュモデル復元
- 多視点映像からのマーカレスモーションキャプチャ
マルチメディアと画像処理
近年,Youtubeやニコニコ動画,フェースブックなど,ユーザ主導のマルチメディアデータ(CGM)が多数閲覧,共有されるようになった.マルチメディアにとってはあらたな興味の宝庫である.これらに対して,映像内容を考慮した順位付けの問題,準同一映像検出,映像内容に関する人の印象や感情に見合う映像評価手法に取り組んできた.現在,ソーシャルメディアのデータを利用した新たなアノテーション利用の枠組みを検討している.また,画像処理として,ダイナミックレンジを拡大するためのコンピューテーショナルな撮像の仕掛けについても検討をすすめている.
- マルチメディア検索のためのインタラクティブな位置,時間,ソーシャルなクエリ
- ソーシャル,パーソナルなマルチメディア処理
- コンピュテーショナル カメラ
- カメラ画像を用いた将棋の自動局面認識
デジタルミュージアム&漫画画像処理
デジタルミュージアムに関しては,博物館や美術館などの屋内環境において来訪者が撮影した写真からの位置推定や,撮影された画像の位置情報から経路を推定する研究を行っている.
- ナビログ-画像認識を用いた博物館ガイドシステム-
- デジタルミュージアムのための屋内撮影画像による位置推定システム
- デジタルミュージアムのための疎な位置からの経路推定とその共有
漫画は日本が世界に誇る文化であり,商業的・文化的に価値が高い.また,近年の漫画の電子化の流行により,漫画は電子的な画像として扱えるようになりつつある.もし漫画に対し画像処理技術を用いた応用処理を施すことができれば,漫画という優れたコンテンツの発展に寄与することができ,有益である.そこで我々は,漫画に対する画像処理の研究を進めている.漫画は自然画像と違い白黒の線画であり,多くの既存手法は上手く働かないため,画像処理の研究対象として非常に面白い.
- 漫画に対するリターゲティング
- 白黒漫画キャラクタの半自動彩色
- 漫画の顔検出
- スケッチ入力による漫画検索